マテオチャンスを知った時、DAVE MATEOはもういなかった

けん玉にまつわるもろもろをなんとか言葉で伝えようとするブログです

けん玉の性能の言語化と数値化の話

一つのトリックを身に付けるためには「どれだけ言語化できるか」ってかなり重要だ。その「言語化」の要素のひとつでもある「数値化」について、まだ語られていない、語られていても明確に「言語化」されていない「数値化可能なけん玉の性能」があるとずっと思っていた。今日はそんな話。

「能力の数値化」ってジャンプ黄金世代にドラゴンボールの戦闘力インフレをリアルタイムで目撃した世代にはもはやカルマに近いのかもしれない。 

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早速本題。皆さんは月面着陸というトリックは好きですか?月面着陸が可能な角度ってけん玉によって違うし、明確に性能として重要な要素なのに「中皿穴あいてまっせ」ぐらいしか判断材料ないのってわかりづらいなー、

なんて思ったことない?

概念としてはあってもまだ言語化されていなかったように思ったので勝手に「月面限界角度」(Lunar limit angle)という言葉を作ってみた。言葉通り、月面着陸がメイクできるギリギリの角度のこと。英語は適当なので海外のダマーに通じるのかは知らない。

もちろん月面着陸のやりやすさはけんの重心による角度だけでなく、玉のグリップ力も大いに関係してくる。さらには同じシェイプでも重さや皿胴の深さによっても角度は全然変わる、いわゆる「個体差の問題」は永遠について回る。なんなら雨の日の方がいい数値出る可能性もある。

 

そんなことは百も承知の上で、好奇心が高まってとにかく気になって手持ちのけん玉で調べてみた。当然今回調べたデータはあくまで僕個人が所有、使用しているけん玉に限るハナシだ。個人的な好奇心の赴くままに書いてるだけの記事なのでけん玉の優劣に関して語りたいわけではない。純粋に一度調べてみたかった、ホントそれだけ。そこは誤解のないようお願いします。

調べ方は、不要なけん玉の分解した皿胴に玉を載せ、紐が当たらない場所に大皿を載せて徐々に傾け、10秒以上キープできるギリギリの場所を見極め、デジタル分度器で測る、というデジタルなんだかアナログなんだかな方法。

こんな感じ↓

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デジタル分度器をこのためだけに買ってやった。後悔はしていない。分度器使うのって小学校以来かも。でもほら、マツコさんも言ってるから。 

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あるある!角度知りたい時ある!

そして社会人はすぐExcelシートにするよッ!

全20本!角度は水平寄り垂直寄りの2種類の限界値を測って、その限界値同士の間の数値を月面範囲と定義した。各項目の上位5位まではグラデーションで色付けしてみた。濃い方が上位。

どどん!

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これ、測るのマジで大変だった…でも大変なんだけど率直な感想としてめちゃくちゃオモロかった!勝手に「月面限界角度」という言葉をでっちあげてやってみたところ…楽しくてたぶん測りながらドーパミンドバドバ出てた。

何ならコレ、新しいゲームにできんじゃね?なんてことまで思ってた。自分が月面止まる、と思った角度で載せて両手を同時に離す。そこでキッチリ止まれば角度を測ってそれがその人の成績、みたいな。酔っ払ってやったらみんな落としまくるやつだな…

話が逸れた、結果考察しよう。8割予想通りだけど残り2割は予想外。

やはりSweetsのBOOST Shapeがヤバい。3本調べて3本とも上位。ヤケにイージーに月面決まるなー、と思っていたCOOPER EDDYのシグネチャーモデルが何と水平寄りが10度切るという…ほぼ水平やん。コレ、実は最初から皿胴の位置がめちゃ深いクセスゴな1本。風車は全く回らないけど月面はサクッと乗る。逆に言うとクセがスゴ過ぎてレギュラーでは使ってないので1年近く経ってもまだとてもキレイ…

 

BOOST Shapeはエントリーモデルのradarでもゾーンの広さがエグい。グリップも強力なのでアバウトな角度でもなんとなくメイクできてしまう。この辺やっぱり同じエントリーモデルでもよりオールマイティ志向なKROMのPOPあたりとは明確に目指す方向性が違う感じ。クセスゴ!好きだけど!

 

ZOOMADANKEのイージー攻めてるシェイプって言ってたCKシェイプのKROM NAKED PLASTICITYは水平、垂直、範囲のすべてが2位。クセで言うとこのシェイプの方がスゴいかも。めっちゃ細くて見た目は超好き。ただ、玉の塗装が結構滑るような…同じKROM lolのスティッキー塗装だとHEADSHOTはもっとバチバチに止まるイメージなんだが。…もちろん他と比べると月面やりやすいのは間違いない。

 

sulabのフリクションクリア玉×JACアッシュけんはスペック以上に月面やりやすいイメージがある。玉のグリップ力と耐久性は流石の一言。中皿穴なしでも補って余りある。

 

大空は10度以上(失礼!)範囲あると思わなかった。もっとシビアかと思ってた。当然と言えばそうなんだけど測って月面範囲を数値で理解してからトライすると若干メイク率上がる気がする。なんか…やってよかった。久々に普通の大空新しいの買おうかな。

 

意外だったのがFTY。最初に買った黒は月面も風車も程よくいけるバランスだったのに、ミントの方はびっくりするぐらい玉がスベる。大空よりシビアになってしもた…使い込んでいくと変わるのかな…?かなり使い込んだ黒の方は玉を湿らすと面白いぐらいグリップ力上がる(堂々と邪道を提案)。

decade.shop-pro.jp

 

結局のところ、普段の感覚で月面やりやすいモデルが数値化した性能としても高い、という当たり前の結果ではある。ただし、測った数値を頭にインプットしてトライすると、メイク率が若干上がる気はする。

水平寄りの角度が小さいけん玉が月面用としてはおすすめ。いくら月面範囲が広くても垂直寄りの限界角度が大きくても、ランディングしやすいのは衝撃を膝で吸収しやすい水平寄りなので。グリップ力の影響も少ない。

垂直寄りの数値が良いけん玉も玉のグリップ力が伴えば性能が活きる。静止状態でどれだけ垂直寄りに近づけたとしても、玉のグリップ力が無いと回転するけんの衝撃は吸収しづらい。

 

経年変化を追ってみても面白そう。基本的に使い込んだけん玉は皿胴の位置が深くなるので水平寄りは数値良くなるはず。でも塗装は剥がれてくるとグリップ力下がるので実際の月面のメイクしやすさはどうなるのか…ここでまた「耐久性」という性能も関わってくるな。「摩擦係数」って数値化する方法あんのかな…?けん玉の性能への興味は尽きない。


皆さんも気に入ったら使ってください、月面限界角度。
月面角度(Lunar angle)だけでも良いな。
LA(エルエー)とか言ってみたりして。
LAの範囲超広いんだけど!とか
LAいとシビアすぎ―(EXIT風)とかいろいろ応用できそうだ。しないか。