マテオチャンスを知った時、DAVE MATEOはもういなかった

けん玉にまつわるもろもろをなんとか言葉で伝えようとするブログです

そしてまた一人のマテオおじさんが生まれた

今回は前々回の記事でお伝えしていたマテオチャンスの練習方法=「手のせ大皿からのジャグフリップのみの反復練習」に効果があったのか、の検証編をお届け。

mateomateo.hatenablog.com

結論から言えば、以前は日によってできたりできなかったりしてたマテオチャンスが毎日できるようになった。
もちろん検定で受かるようなメイク率じゃない。
5回に1回できるようになるのなんてまだまだ全然先だろう。

 

またまだ、と自然と心の中で思ったことが言葉になった。
そう、今はまだまだ…でも「マテオチャンスができた自分」から「マテオチャンスが毎日できる自分」になった。
そしてさらに上手くなって「マテオチャンスがいつでもできる自分」になった姿がこの道の先にほんの微かだけど見えている。

僕はきっといつかこのトリックを「できる」ようになる。

まだ確信とまではいかないけど、自分にそう言い聞かせるぐらいの元気は出てきた。
この1ヶ月でちゃんとマテオチャンスが上達しと思う。

 

その要因で一番大きいのは、とにかくこの「手のせ大皿からのジャグフリップ練習」が抜群に効果あったから(手前味噌全力で押し売りするスタイル)。

より細かく言うと、この練習をしながら得た3つの気づきの影響が本当に大きい。
…と毎度毎度うさんくさい導入部ですんません。
気づきと言うかめっちゃ為になるHOW-TOで学んだだけ、みたいな要素の方が大きいけど。

 

①ジャグのメカニズム

ジャグに関して気づいたことは厳密には二つあって(もはや合わせると3つじゃない…)、
一つ目は前回の記事を書いた時に撮ったスロー動画がきっかけで、けんを投げた反動で手首が自動的に下がるのを発見したこと。
こちらの動画。スローの動画ってなんか気持ちよくて何度も観るうちに不意に気づいた。↓

drive.google.com

急に霧が晴れたような気分だった。
今まで体感ではけんを投げたとほぼ同時に玉をキャッチしてたイメージだったから、その後に手首が下がってるんだと思っていた。

ちゃうやん。先に手首が下がってから玉キャッチしてるやん、が真実だった。

メイク動画以外すぐ消しちゃいがちだけど、練習動画や失敗動画こそヒントの宝庫なのだった…

 

二つ目はけんの投げ方。

kengokawamura氏のHOW-TOで学んだコツがとても腑に落ちた。

youtu.be

回そう回そうとせずに上に投げれば良かったのか、と。

上に投げようと試行錯誤するうちに「手首を使う」ってことの本当の意味がようやくわかったような感覚があった。
以下あくまで個人的な感覚の話。

手首の関節をスナッピーに使おうとすると、当然手首につながる筋肉全体をムチのようにしならせるような感覚になるんじゃないかと。
今まで手首だけを意識してたから、意識すればするほど動きが固かったのかな、なんて。
全身つながってる筋肉のほんの一部分だけを使おうとすることがそもそも無理あるんだよ。
あらゆる球技でダメ出しされる「手投げ」とか「手打ち」みたいな状態だったのかもしれない。

手首につながる腕の筋肉全体をイメージする。
この気づきはジャグとけんフリップのどちらにも大きな影響があり、個人的には大きなブレイクスルーだった。

 

②利き手の位置

利き手の位置と言うかけんの位置と言うかけんの持ち方と言うか…
しょっちゅう玉とけんが当たりまくってた初手のけんフリップが改善されたコツがこちら↓  

youtu.be

ズラす、と表現されてるけど要はけん先を体の外側に若干開くってこと。
これはけん玉のHOW-TOで言語化されてるのを今まで見たことがなかった。

日本人離れした濃い顔と妙に軽いノリがクセになるな…しょうちゃん。登録者数はゆーだま氏の一万分の一だけど、その情報の価値は登録者数では測れない。

初手のけんフリップを玉上げと同時にやろうとすると、実は完全に同時ではなく、玉を上げたすぐ後に親指で軽く弾くことになることは以前書いた*1

そしてそのタイミングが恐ろしくシビアであることも。
しかし問題となるのはタイミングだけではなかったのだ。

けんを身体に対してまっすぐ垂直に持つと、フリップさせてキャッチする時も広げた手のひらに対してけんが斜めになってしまう。
そうなるとキャッチする場所やタイミングがちょっとズレただけで落としてしまうし、親指にも頻繁に当たるし、けんと玉も当たりやすくなってしまう。
必然的にけんの角度を体の外側に30度ぐらい開いた方がけんと手のひらの角度がまっすぐになり、けんがキャッチしやすくなるのだ。

動画でも言われている通り、このやり方を意識しだしてから紐の絡みが減った気がする。

玉もほとんど当たらなくなった。

 

③スピードが必要なのはジャグからフリップに移行する時だけ

今まで上手い人のマテオをずっと見続けて、
何でこんなにスムーズなのか
どうして自分のマテオはこんなにバタバタと忙しいのか
同じトリックをやってるはずなのに一体何が違うのか
疑問には思っていても嘆いてばかりでちゃんと考えていなかった。
センスの差を埋める為の観察も思考も全く足りていなかった。

100人を優に超える人数のマテオを見続けて、そしてあらゆるマテオやジャグのHOW-TO動画を見尽くしてようやく気付いた。

マテオのジャグにスピードは要らない。
むしろゆっくりぐらいが良い。

 

なぜか。

 

速く回すと玉トスで余裕がなくなるから。

ジャグの合間にフリップをする時間を確保する為には玉をゆっくりフワッと上げて滞空時間を稼ぐ必要がある。

そして玉の滞空時間を長くする為には落ちてくる玉の勢いをしっかり手首で吸収してから柔らかくトスしなくてはいけない。

必然的に玉の滞空時間の前にそもそも玉をキャッチしてからトスするまでの時間にある程度余裕が必要となる。

=まずけんの滞空時間を長くすることがスタートになる。

 

と言うことは…要するにけんトスも玉トスもゆっくりやればいい。
それだけのことなのだ。

 

マテオの1回目のジャグで意識することは主に以下の3つ。

・リラックスした状態で手首を柔らかくスナップさせる
・水平よりやや上でけんを離す
・けんを投げる時、回そうとするより上に投げる感覚で

玉を柔らかく高めにトスしてフリップする時間を稼ぐ、その為にはこの3つを徹底することが大事。

これによって
「けんの滞空時間」が長くなり、
玉を弾かずに衝撃を吸収してからふわっと投げる時間も生まれ、
結果的に球の滞空時間が長くなるのだ。

 

理想は玉を離した直後にけんを水平位置でキャッチすること。

限りなくゼロに近いタイムラグで。

ここで大事なのはスピードではなくタイミング。
玉を離した瞬間、水平位置でけんを取れるタイミング/その為の投げ方/力加減を試行錯誤して手に入れるしかない。
けんだけのジャグフリで玉をつかんでいる時間をイメージしながら練習するのがおすすめ。

めちゃくちゃ難しいけど、大事なのは力加減やタイミングであって、断じてスピードではない。

マテオで唯一絶対的なスピードが必要なのはこの後。

キャッチしたけんをフリップさせるまで。

フリップそのものは普通のスピードで良い。
そもそもけんフリップ自体がスピードのあるトリックだから。
初手のけんフリップも同じ。

大事なのは反射神経。…って言うと身も蓋もないけど。

イメージはコレ↓

(引用元:HUNTER×HUNTER23巻/冨樫義博

キルアの疾風迅雷。
手のひらにけんを知覚したその瞬間に自動的にフリップを発動させる、みたいな。

いや、結局はそんなんセンスやん、と思った人もいるかもしれない。
そしてそんなの最初から知ってるしわかってるけどできねーんだよ!と思ってる人もいるかもしれない。
今までの僕と同様に。

たぶん、その感想は間違っていない。
…いないけどその壁を乗り越える手段として大皿からのジャグフリップ練習が有効なのも間違いない。

反射でできない部分はある程度慣れで補える。
僕の場合は明らかに初手のけんフリップから練習してる時より爆速でジャグとフリップのつなぎが上達してる。

・玉を離した直後にけんを水平位置でキャッチするタイミング

・けんをキャッチした瞬間フリップを発動させるスピード

雑に回数をこなさず、一回一回丁寧に考えて修正して時には動画で振り返りながらこの二つを習得し、どんどん精度を上げる。

目指す目標は、

・玉を離してからけんをキャッチするまで

・キャッチしたけんをフリップさせるまで

この二つの刹那のタイムラグを限りなくゼロ秒に近づけること。

これがマテオチャンス免許皆伝の極意に他ならないと思う。

とは言え練習始めた当初は最後のジャグまではなかなか綺麗につながらなかった…
明確に変わったのはやはり①のジャグのメカニズムの気づきがあってから。
そこに②と③の気づきが加わり、いよいよ確変が起きた。

 

・初手のけんフリップが水平で取れる確率が上がる

・ジャグのけんトスがしっかり手首下げてゆっくりになる

・ジャグの玉トスが柔らかく高くなる

・玉トス直後のタイミングに水平位置でけんを手のひらに対してまっすぐキャッチできるようになる

・けんをキャッチした後、素速くフリップに移行することを意識するできるようになる

・最後のジャグけんでちゃんと手首を下げてからけんを投げられるようになる

 

こんな感じで一つ一つの気づきで一つずつ動きの精度が上がり、結果としてメイク率が上がっていった。

ジャグからフリップに素速く移行するのがコツだぜ!

とか

最後はただのジャグけんだぜ!

とか言ってても全然できなかったけど、他の動きの精度が上がることによって今まで意識できていなかったことが意識できるようになってきたのだ。

マテオの練習で壁に突き当たったらぜひ大皿からのジャグフリップを!
個人的には今までが70点ぐらいだったところが95点ぐらいまで言語化できた感あり。

 

推敲前の文章はいきなりブワーッと頭の中で次から次に言葉が湧いて出てきてややハイになりながら深夜に一気に書いてしまった…
朝読み返したら恥ずかしくなって(よくある)1週間ほど放置してから推敲してます…

それでも今回は、けんフリップとジャグけんさえできれば誰でもマテオできんじゃね?と初めて本気で思った。

最後の5点は本当に僕がマテオを「できる」ようになれば埋まると思う。

マテオチャンス民主化の夜明けはもうすぐ…かもしれない。

 

でもやっぱりオーバーワークでやや肘痛い…
なんか首と肩と背中もバキバキ。
たぶんまだまだ余計な力が入ってる証拠。
どんどん上手くなる自分を実感してる時ってなかなか練習やめられないのが悩み。

 

しかも他のトリックほとんどやらずにマテオばっかり練習しちゃう。
マテオばっかり毎日やってしまうおじさんが定期的にインスタに現れるのは何故なのか。

自分がやるようになってから気づいたのだが、やっぱりマテオが決まるとシンプルに気持ちよくてやめらんないんよね…

諸先輩方に比べまだ全然スムーズさが足りないし、そもそもあまり同じトリックをインスタに投稿したりしないタイプだけど、ひっそりと毎日マテオやり続けると思う…

5回に1回できるレベルになったら、永久保存版マテオチャンス完全解説みたいな記事書きたいな。

今までの気づきと練習法全部まとめて。

最終的にゲームフリークゼビウス100万点への解法*2みたいなミニコミ誌にしてけん玉イベントで配り歩く謎のマテオおじさんになるのも…いくらなんでも怖いか。

*1:遅い早いの差はあれどすべてのマテオの初手はレイトフリップである説

*2:言わずと知れたポケモンの産みの親、田尻智氏が素人時代に作った伝説のミニコミ誌。今でも金に糸目を付けなければ買えるかも…自伝的小説「パックランドでつかまえて」収録の「幻のゼビウス星」もぜひ読んで欲しい。ゲームデザイナー「E」として登場する遠藤雅伸氏がめちゃくちゃかっこいい。