マテオチャンスを知った時、DAVE MATEOはもういなかった

けん玉にまつわるもろもろをなんとか言葉で伝えようとするブログです

新・やっぱりジャグが好き〜10ジャグ死闘編〜

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ジャグへの片思いを続けて2年と5ヶ月、

ついに10ジャグけんメイクできました!

ジャグに関する過去記事はこちら↓

mateomateo.hatenablog.com

mateomateo.hatenablog.com

 

長かった…
基本のジャグけんまでまず1年、そこから3ジャグけんまではガッツリ1年かかってる。
去年はヘタな分練習量増やしたら見事に手首と肘痛めて結局その3ジャグけん止まりだった。マジで死闘…

それが年明け2ヶ月ちょっとで一気に壁を越えた、と言うか突き抜けられたのは明確に理由がある。
以前、ジャグに近道などない、と書いた。
その言葉は今でも間違っていないと思っている。
ただし、今ならその言葉にこう付け加える。

ジャグに近道はなくても王道はある、と。

きっかけは年明け3日、今年初めてのOurPark*1で教えてもらったrusst_dama0818(以下ラストさんと呼ばせていただきます)さんのジャグ解説。

ちょっと長いですが、引用します。
何故かインスタの投稿が埋込できない…

ジャグ
(複数ジャグ)

○やり方とポイント
・スタンバイ
※スタンバイの時のポイントは1点。
1-剣の持ち方は手の平を上に向けた状態で手の平と皿銅が垂直になるポジションで握る。

・玉を引き上げる
※引き上げる時のポイントは3点。
1-剣を外側に弧を描きながら大皿が上を向くように(手の平が上を向く様に)引き上げる。(紐の絡みを防ぐ効果も有)
この時に「中皿の横に玉」のポジションを取る。
2-穴が自分側に向くように玉を上げる。
3-玉の引き上げる高さは、ジャグ中の玉の位置と同じ高さにする。

・ジャグ中
※ジャグ中の時のポイントは10点
1-引き上げた時に手首をしならせる。(脱力させる効果と、リズムをキープさせる効果も有り。)
2-玉が落ちて来たタイミングで軽いスナップで投げる。(スナップで投げる事で剣の回転が横ブレしない。決して手首の力や腕の力で投げない。)
3-スナップで剣をトスする時にほんの少し体側に引いて回す意識をする。
4-剣の高さは玉の投げた時のトップの高さと同じ。
5-ジャグ中は常に玉をトスする時も、剣をトスする時も引き上げた時に向けた「手の平を上」を固定。(コレが1番重要!!!)
6-玉をトスする際は小指と薬指と中指の半分ぐらいを使って力を抜いてトスする。
7-玉と剣の軌道の間隔は肘から先辺りの可動範囲で収めて固定する。(この事によりジャグ中に動作全体が横ブレしない。)
腕だけでイメトレするのも効果的。
8-常に動きに縦の意識を持つ。
9-常に中皿の横で玉をトスし続ける。
10-「玉、剣、玉(タン、タン、タン)」と一定のリズムを刻みながら行う。
「タ、タン、タ、タン」などはNG。

・その他
※まずは2ジャグ大皿を完璧にする。
お手玉、又はお手玉と剣での練習は不要。
(お手玉はジャグが出来れば出来る。しかしお手玉が出来てもジャグは出来ない。自分はお手玉練習はしてないです。
お手玉と剣での練習も不要。お手玉と剣の重さバランスが極端に違う為、変な癖がつく。)
※紐無しけん玉での練習は効果的。
ですが、紐無しけん玉も紐有りでジャグができる様になれば簡単に出来る。)
※引き上げたら剣を投げずに玉をキャッチする練習でイメトレする。
※剣に刺した状態からスタートするジャグ練習が効果的。
※座りながらジャグするのも効果的。
(体全体を自然に固定できて無駄が無くなる為。)

以上

かなり意識する所が多いですが、全て自分が練習段階で気づいて行った事をまとめました。

引用元:russt_0818(@rasst_dama0818)インスタグラム投稿よりhttps://www.instagram.com/p/CRH8V3njLiI-zqogcBkjbjgZS-Kwg4UufeMn0w0/

ラストさんのジャグは何度もインスタで観てるのにこの解説は教えられるまで知らなかった!

ジャグが上手い人は世の中にそりゃもういっぱいいるし、ジャグのhow-to動画もYouTubeで観れるようなモノはたくさんある。

だけど、ラストさんのジャグはクリーンさと安定感もさることながら、言語化の解像度の高さが群を抜いている。

上手いだけじゃなく、そのコツを誰にでもわかるように言語化できる能力があって、しかもそれを練習法まで込みで無償でシェアしてくれるとは…!

僕が壁を突き抜けた理由、それはシンプルに言えば限りなく100%の正解に近いジャグのコツと練習法を知ったからだ。

詳しくはこの金が取れるレベルのジャグ解説を熟読してもらうのが一番だけど、個人的に今までのやり方と変えた結果とてもしっくりきたコツがいくつかあるのでそれだけ抜粋して紹介します。

①玉の上げ方
僕はジャグの上手い人がよくやるダウンスパイクみたいに軽く前に振りながら玉を上げるやり方が苦手でずっとまっすぐ上げていた。

でもラストさんのやり方はどちらでもない。
けんを体の内側から外側に向けて弧を描くように横に引き上げるのだ。

最初はえ?なにそれ?クセ強!と思ったのだがやってみるとコレが非常に理に適っている。
前からのアングルだとよりわかりやすい。こんな感じ。↓

https://drive.google.com/file/d/1ocyjFfiy_gjTWl_V-WXkqm5J_ha6979u/view?usp=sharing

僕の動画ですいません…
はてなは直接動画貼れないのめんどくさいな。

フリップ大皿とかワールウィンドが苦手な人には良くわかってもらえると思うのだが、異なる縦の動きを連続でやるのって難しい。

一般のダマーにとってたぶんその究極がマテオチャンスだと思う…

フリップ大皿で言うと、玉を引き上げるための動作とけんを指で前に弾く動作は同じ縦の動きだけど力を作用させる方向も力加減も体の使い方も全然違う。
僕は引き上げる動きの残滓のようなものに引っ張られてフリップの動作がぐちゃぐちゃになるのにたぶん1年以上は苦しんだと思う…

話をジャグに戻すと、初手が横の動きになることによって、次のけんを縦に投げる動きと完全に切り離すことができるのだ。

それによってまず通常のジャグけんが非常にやりやすくなった。
結果、このやり方を知った3日後に5ジャグけんまでメイク!

 

②手首の使い方
手首を柔らかくしならせたジャグなんて僕には一生できないと思っていた。

でも初手を横の動きにすることによって、玉を上げることに気を取られずに手首をしならせて1回目のけんを投げられるようになった。
1回目のその動きの感覚が手首に残るようになり、2回目以降も手首をしならせて投げやすくなった。

そして何より

・手首をしならせる
・手首のスナップで投げる

と明確に言語化されていたことが大きかった。
これを呪文のように頭の中で唱えながら何度も何度も反復練習し続けた。

以前からあげさんからアドバイスしてもらった肘を固定するイメージも役立った。
肘を固定して肘から先の振り子運動を止める瞬間にその勢いで手首をスナップさせると上手く投げられることがわかった。

もちろん正直ラストさんや他の上手い人に比べたらまだまだ全然しなりが足りないとは思うけど、以前より明らかに手首でけんを投げられるようになった。

 

③リズムの取り方
再びラストさんの解説より引用。ラストさん曰く、

「玉、剣、玉(タン、タン、タン)」と一定のリズムを刻みながら行う。
「タ、タン、タ、タン」などはNG。

ドキーっ!!「タ、タン、タ、タン」になってた!
と言うかむしろ意識してそのリズムにしてた!

ジャグは「思ったより待つのがコツ」と「いいジャグはコンパクト」みたいな先入観が合わさった結果、

ギリギリまで待ってけんを投げた瞬間玉をキャッチしてすぐ投げる、

という流れでやっていたのだが、
コンパクトにしなきゃ、と思ってけんは素早くコンパクトに回すが、
玉は再度キャッチする余裕が欲しいから若干高く放るのがクセ、
と言うかむしろ意識してそうしてしまっていた。

それが結果として

けん投げる→タ(玉キャッチ)⇒すぐ若干高めに投げる、タン(けんキャッチ)⇒すぐコンパクトに回す

を繰り返すジャグになっていた。
当然、このリズムだと玉をキャッチしてから投げるまでに余裕がないので、
弾くような投げ方になる。そのくせ若干高めに上げようとするから結果コントロールが悪くなる。
この高低差で裏拍取るようなリズムが結局はジャグの精度を下げる要因になっていたのだ…

こうやって言語化されたコツを知ることであまり筋の良くないクセを矯正することができた。
とは言え「タン、タン、タン」とリズム取るのもまた激ムズだったりはするのだが…

リズムを「タン、タン、タン」にしようとすると自然と玉を柔らかくキャッチしなければならなくなるのが個人的には良かった。

恐らくフリップとジャグを組み合わせるマテオチャンスみたいなトリックには玉を高く上げるジャグも必要にはなってくるはず。
その時も柔らかく玉をキャッチしたいものだ…

他のコツもすべて理に適っており身に付けるべきものだとは思うけど、全部を一度に意識するのは凡人にはまずムリ。

こんなにいっぱいあったら絶対できない!ムリ!ってなる人も多いと思うけど、
コツが言語化されているということは、失敗の理由もまた言語化できるということだ。

やみくもに練習しても改善は進まない。
今のジャグのどこに問題があったのか、を
10のコツに照らし合わせて考える→修正する、をひたすら繰り返すのが一番有効だと思う。

最初は自分に合うコツを一つ二つ意識しながら徐々に意識するコツを増やしていくのが良いんではないだろうか。

僕もまだまだ意識できているコツなんて3つぐらいだし、無意識のうちにできているコツなんてひとつもない。

それでも10ジャグけんがメイクできてしまうぐらいこのコツには即効性があるんだと思う。

全部を完璧に身に付けたら…なんて想像し出すとジャグの練習が楽しくてたまらない。

 

ここからちょっと余談だけど、10ジャグけんをメイクしたのはふだんあまり使わない指10本分の長い紐がセットされたanalog kendamaだった。

マテオの練習をしてる時に最初は紐長い方が良い、とからあげさんからアドバイスをもらっていたのだが、それってジャグにも当てはまるよなー、と思ってふと手に取ったらめちゃくちゃジャグがラクだった。

今までの苦労は一体…ま、ここから慣れたらいつもの8本分ぐらいでもメイクできるように練習しようとは思っている。

改めて思うのはourparkでけん玉するようになってからの3ヶ月でできるようになったトリックめちゃくちゃ増えたな…ってこと。人に教えられたり教えたりするのって本当に上達するスピード上がる。

教えられたら上達するのは当たり前だけど、人に教えるために無意識にやってることを言語化することもまた確実に上達につながる。

言語化は再現性の向上に最も必要なことだからだ。
自分でなんとなくできているトリックのコツを言語化できれば他人ができるようになるばかりか、自分のメイク率も向上するはずだ。

 

そんなこんなで僕の10ジャグけんへの道はひとまずゴールテープを切ることができた。

でも当たり前だけどこれはゴールじゃなくてスタートライン。
次はジャグとつなげる連続技を何やろうか、なんてニヤニヤしながらずっと考えてしまう。楽しくてたまらない。
もちろんジャグ自体の精度もまだまだだ。
もっともっと練習したい!

手首と肘もちゃんと治さなければ。
保険が効かない課金治療に手を染めた挙句全く良くならない…
リハビリサボったら一気に悪化した…
マジでしばらくお休みした方がいいのかもしれない。

代償は正直大きかったが40過ぎてけん玉始めた老眼で腱鞘炎のおじさんでもジャグは上手くなる!…
と言い切るには乏しい材料かもしれないけど、最後にもう一度希望の言葉を。

ジャグに近道はなくても王道はある。

すべてのジャグ修行者に幸あれ!

*1:オンラインけん玉練習会。詳しくは過去記事参照→パークライフ - マテオチャンスを知った時、DAVE MATEOはもういなかった