マテオチャンスを知った時、DAVE MATEOはもういなかった

けん玉にまつわるもろもろをなんとか言葉で伝えようとするブログです

トレフリップのひみつ

腰が痛い。なんかもうずっと痛い。2週間以上痛い。
いつも腕の治療で通っているクリニックに行ったら尻に注射を5本も打たれた…

いや、言ったよ、確かに。別に注射に抵抗はありません、って。
でも5本も打たれるなんて思わんやん…でもまだ全然治んない…あの注射の意味!

その後自宅の階段でコケて膝ぶつけてさらに起き抜けに足攣った…OMG!

買ったばかりのNLKもホコリかぶってるよ…

休日は芋虫のように体を丸めて惰眠を貪り、堕落の限りを尽くしているよ…

そんなわけで(座ってカタカタキーボード打つのもしんどいのだけど)久々にブログ更新します…

って言うかこのネタもうずーっと1ヶ月ぐらい書いてるんだけど、時間かかってる割になかなか新鮮味のある内容になんなくて…

正直タイトルに偽りありそうな気がするのだけど、自分を甘やかさないとやってられない気分なので許してください。

 

初めてそのトリックを知ったのがいつだったのか
初めて観たのが誰の動画だったのか
YouTubeのHOW TOだったのか、インスタだったのかも覚えていないが
月面のトレフリップが好きだ。

ただし、斜めに複雑な軌道を描くトリックなので、最初はHOW TO動画を何度観ても
「どう回転しているのか」を脳が全く理解しようとしなかった。

縦横回転?斜め回転?は?って感じだ。

スケボー由来?って聞いてもそっちも早過ぎて全然何やってるかわからんのだ…

理論自体はとてもシンプル。
今までもいろんなHOW TOで言語化され、動画でも説明されている。

SWEETS KENDAMASのヤツ↓

youtu.be

英語な上に短い動画なのでなかなかこれ観るだけでメイクするのは難しい。
まだトレフリップができなかったころ何度も何度も観直したけど結局回転がどうなってるのかがどうしても理解できず…
月面のトレは手を斜め前に押し出す動きもトリッキーなんだよなー。

 

てるちゃんねるの裏月のヤツ↓

youtu.be

改めて観直したらめっちゃわかりやすいな…
けんのリリース方法も失敗からの修正方法もわかりやすく言語化されている。
たぶん最初にメイクできたのはこの動画観た後だ。
少なくとも裏月のトレフリップに関しては「これ観りん」*1で良い気がしてきたな…

なんか若干書く気が失せてきたけど続けます。

今書いた通り、トレフリップをメイクするにはまずけんのリリース方法、そして「失敗から修正するコツ」が重要だ。

回転が複雑で視認しづらいので、失敗した時にどう修正すればいいのか、がわかりづらいから。
それではPDCA*2は回らない。
CHECK=検証もACTION=改善もナシに
なんとなくのPLANで練習=DOの回数を増やしても効率が悪い。

それにはまずトレフリップの回転の仕組み=理論を理解すること。

そして理論を知るとともに失敗を分析して修正するやり方を知ることで正しいトレ回転に近づき、メイクできるようになる。

ま、そこの説明としてもてるさんの動画でほとんど過不足なく理解できそうな気はしつつ…

文章と図解で改めて説明するのもいいかな、と。
相変わらず本題までが長い。すんません。

トレフリップの仕組み

これは先述の通り、とてもシンプルなのだが説明はちょっと難しい。

要するに横45°、縦45°の角度でフリップさせる
ってことではあるけど…これだけでわかるあなたはきっと天才。

てるさん同様、僕の好きな裏月(右利き)の場合でより詳細に説明してみよう。

①皿が玉ではなく板に乗っているところをイメージする。

いきなりクセの強い解説…!いろいろ考えたけど、コレが一番説明しやすいんだよ…

②板に乗っている皿を時計盤に見立てて、6時と9時のちょうど真ん中、7時半の位置が水平方向の45°位置である。
そしてフチの7時半の場所が力を加えるポイントとなる。

③そのポイントから板に対して垂直方向に45°の角度でゼロ距離からフチを軽く蹴り上げる。



 

わかりやすく斜めのアングルにするとこんな感じ

この縦45°×横45°の角度で皿のふちを軽く蹴り上げる、というのがトレ回転の理論の基本だ。

水平の角度で力を加える位置が決まり、
垂直の角度で力を加える方向が決まる。

理論通り考えるとひたすら45°×45°の角度の正確性を追求すればいいのでは?と思ってしまう。

もちろんその通りではあるのだが、そこまで精度が高くなくても斜め回転にはなるし、トレフリップはメイクできる。

できるけど…偶然できた後にその感覚をそのまま再現してメイクできるのはただの天才。

メイク率を上げる為に、そして失敗からの修正の為に知っておくべきは下の2つの法則だ。

 

トレフリップの法則

①横の角度が0°(6時)に近づくほど、けんは通常のとんぼ返りの縦回転に近くなり、90°(9時)に近づくほど、けんはバレルロールの横回転に近くなる。

②縦の角度が0°(水平)に近づくほど、回転は縦に小さくなり、90°(垂直)に近づくほど、回転は縦に大きくなる。

いったんわざと縦横ともに角度を極端に変えてやってみることをおすすめする。
たぶんすぐに体感で理解が深まると思う。

 

トレフリップを構成する第3の要素

そしてもう一つトレフリップの精度を上げる為に考慮すべき要素がある。当たり前だけど「力加減」だ。

縦の角度が急でも皿のふちを蹴る力加減が弱ければ
結果的にいい感じで乗る場合もあるし、
角度バッチリでも力加減が弱ければ勢いが足りず体勢を崩して
低空でキャッチするハメになることもある。

このキャッチする位置も考慮すべき要素ではあるが、結局縦横の角度や力加減がわかってくれば自然と良い位置でキャッチできるようになるから大丈夫。

ただし、2回転以上となってくると事情はちょっと変わる。

2回転以上のトレを完璧な縦横の角度と力加減で毎回リリース位置と同じ位置でキャッチするのは至難の業だ。

角度や力加減は回転が増えれば当然ちょっとのズレで最終的にキャッチする位置も大きくズレる。

そのズレをリカバーできるようになるには「動体視力」と「空間認識のセンス」*3という先天的な資質が大きく影響してくる。

でもとりあえず1回転ならそんなもの無くても大丈夫。

ゆえにトレフリップを練習する時の基本は

①縦の角度
②横の角度
③力加減

の3要素のどこがそれぞれどれぐらい間違っていたのかを分析して修正し続けることだ。

当然それぞれが微妙に組み合わさっている場合もある。

上記法則は画像で紹介している裏月に限らず、裏表、バックフリップすべてに該当する。

がんばってねー。やればできる。いや、マジで。

 

トレフリップがやればできる理由

トレフリップは複雑で難しい…って思う人もいるかもしれないけど、一回一回検証を怠らず、丁寧に修正していけば必ずメイクに近づく。

僕がトレを好きな理由はここにあるのかもしれない。

誤解を恐れずに言えば、ジャグ、(けん)フリップ、風車、インスタ、ファストハンド、タップなど現代けん玉の花形トリックのほとんどにおじさんは適性がない。

年を経るごとに筋肉には柔軟性がなくなり、長年のデスクワークで体幹もブレブレ(力こそパワー系の屈強なおじさん除く)、動体視力も当然衰えている。

そんなおじさんたちが上記のトリックを練習すると、

・単純に回転が見えない

・身体操作の感覚が衰えてるのでノールックで行うフリップやジャグがきれいにキャッチできない

→結果バタバタとしたメイクになりがち。

そして最終的にムダな力の入った練習を繰り返した結果、手首、肘、腰、膝のどこか、あるいはすべて、あるいはそれ以外のいろんなところを痛める。

適性がないトリックを練習するのは苦手な念能力の修行をすることに似ているかもしれない。

身に付けられない訳ではないが、その能力を得意とする念能力者には一生敵わない。

 

じゃあおじさんの得意な能力ってなんやねん (;´༎ຶД༎ຶ`)てなるわけだが…

ちなみにキッズは全員緋の目発現時のクラピカだから。
安易にケンカ売ったらダメ、絶対。

その点、実はトレフリップって理論と練習方法を知った上でコツコツやれば
誰でも身に付けられるトリックなんじゃないかと思っている。

マテオだのタップだのストリングループだの忙しいトリックと違って「タイミング」と「ノールック」いう要素がないから。

基本の四大行*4に周*5と凝*6ぐらい使えればいけんじゃね?的な。←念能力を舐めんな、と僕の心の中のウイング師匠が言ってるけど無視する…

オシャレトリックとか言われたりするけど、おじさんが泥臭い努力で身に付けられる、練習し甲斐のあるトリックだよ。

 

とは言え、法則を理解しただけではまだ難しい人もいるかもしれない。
最後に裏月の場合の具体的な失敗例から修正方法を考える練習をしてみよう。

…複雑すぎて余計に混乱する方もいるかもしれないけど、①縦の角度②横の角度③力加減のそれぞれをどのように修正すればいいのか、のケーススタディだと思ってもらえれば。

 

裏月トレフリップ失敗例から考える修正方法

【例題①】皿胴が紐穴上の状態で玉の上に乗ってしまった。

【例題②】一瞬乗った、と思ったら回転が止まらずに中皿が右側に落ちてしまった。

さて何が悪かったでしょう?
別に「たった一つの真実」(©名探偵コナン)なんて正解はないのでヒマなひとはどうぞ考えてみてください。

 

【例題①の回答例】

裏月のトレだと最後にけん先右/紐穴上(すなわち大皿は体側)の状態から縦横90°回って大皿が玉に乗る。
紐穴が上だった、ということはあと90°回転が足りなかった、ということ。

仮説その1:「フチを蹴り上げる」力が弱かったのでは?
先述の通り、縦横の角度が完璧でも力加減が弱いと回転不足になる。

仮説その2:「縦の角度」が45°よりも小さかったのでは?
「縦の角度」が小さいとけんの回転も縦に小さく低くなってしまう。

 

【例題②の回答例】

裏月のトレだとキャッチ寸前中皿の位置は左→体側(この時大皿下でキャッチ)→右の順番に動く。
一度乗った後に落ちてしまったのであれば、回転が強すぎたということ。

仮説その1:「フチを蹴り上げる」力が強すぎたのでは?
完璧な縦横の角度だったとしても力加減が強すぎると玉がその勢いを受け止めきれずに落ちてしまう。

仮説その2:「横の角度」が45°より大きかったのでは?
「横の角度」が大きいと回転が右回しのバレルロールに近くなってしまい、けんも右に流れてしまう。

 

こんな感じで基本的にはもうひたすら縦横の角度と力加減の3要素の組み合わせだ。
複雑かもしれないけど、落ち着いて考えれば要因はある程度推測できる。

個人的にはキャッチする位置で調節するのは回転が見えている場合を除いてやらない方が良いと思う。
キャッチする位置が低かったり高かったりするのは結局は角度と力加減の調節でベストな位置に持ってこれるから。


なんかもう脱落してる人いそうな気もするけどもうちょっとだけ続けます。

トレフリップに適したけん玉

根気よく修正していけばある程度誰でもメイクできるトリックだとは思うが、
グリップ力のある玉と皿が大きくて水平に近い角度で月面が乗るけんは用意した方がいい。

僕の場合はokendamasのrevolutionclearの玉(アッシュ)とkendamaeuropeの新シェイプ、recordplusのけん(ブナ)だ。

めちゃくちゃイージーに月面乗ります。ほぼドーピング。

玉のグリップ力は最強だわ、皿はめちゃくちゃデカいわ…
偉そうに理論語る割に結局道具頼みかい!
はい、そうです。

実際、トレの回転で生ずる運動エネルギーを受け止める摩擦力がないと、
完璧な角度でリリースしてキャッチしたとしても、
普通は乗った瞬間に回転が止まらず、結局けんは玉の上から落ちてしまうだろう。

回転を遅くしたり、高く上げて緩やかな回転にしたとしても、
今度は落下で生ずる運動エネルギーが大きくなり、
普通はキャッチできても跳ね返って落ちてしまうだろう。

技術の進歩はありがたいもんです。

もちろん上記の状態をコントロールできる天才は存在します。

でも少なくとも僕は大空でトレはできない。
メイク率で言えば、
revolutionclear×recordplusで裏月トレ>無塗装の大空で普通の裏月

ぐらいだもん…

2回転以上のトレをやりたいなら絶対に玉のグリップ力は必要。

 

多回転トレのシンプルなコツ

一応回転を増やすコツも最後に少しだけ。

先述の通り先天的な資質抜きでは難しいけど、やりようはある。

…って言っても僕にできるのは裏月の2回転までなんだが。
それもせいぜい5分に1回メイクできる程度。

アホみたいに簡単なコツなんだけど、要するに縦の角度と力加減を大きくするだけ。

縦の角度を45°より大きく、強めに蹴る。
コレだけ。
そしてコレって要するに他のトリックで多回転させる時と全く一緒なんよね…
縦の角度を大きくするということはけんを高く上げることとイコールなので、膝を大きく使うと目線と高さを合わせてけんの動きとの相対速度を落とすことで視認性も若干上がる。
当然高低差を使うことでけんの回転スピードも若干ゆっくりにできる。
コレも他の多回転トリックと全く同じ手法。

…って聞くと2回転も全然やれそうじゃない?

月面仕様のセットアップ持ってる人ならきっと誰でもできるはず。

マテオのような脳の命令が追い付かなくて忙しいトリックと違ってじっくりリリースの角度や強さを考えてから試せるトリックだから。

動体視力やセンスは回数をこなすこと=コツコツ練習することで補える、というのは先述の通り。

興味が向いてきた人はぜひトライを。

2回転がカポっと乗った瞬間の感動はマテオにだって負けてない!

 

書き終わったら腰痛がマジであかん。
再び芋虫に戻ります…

*1:これ観なさい的な意味。三河

*2:このブログでは嫌いと言いつつ結構何度も使ってしまうビジネス用語。要するに計画→実行→検証→改善のサイクルを回して施策の精度を上げようぜ、みたいな話。ちなみにブログ主は別に外資系コンサルでも意識高い系リーマンでもなんでもないただの社畜系リーマンだよ…

*3:このセンスという説明の難しいものについてはこちらの過去記事で一度考察しているのでお暇ならどうぞ→

mateomateo.hatenablog.com

*4:念能力の基本。纏/絶/練/発の四つ。 纏:肉体から流れ出ている微弱のオーラを自身の周囲に留めること 絶:肉体から流れ出ているオーラを完全に断つこと 練:オーラを練り上げ通常時以上の量のオーラを生み出すこと 発:オーラを活用して作り上げた念による特殊技、必殺技

*5:自分の肉体以外にもオーラをまとわせ強化する

*6:肉体の一部にオーラを集中させる