引用元:catchandflowインスタグラム https://www.instagram.com/p/CWz_xCJD54C/
フリースタイルのけん玉世界大会CATCH & FLOW2021まであと1日!
KWCと同じく2014年から続く歴史ある大会。公式トリックや点数が決められたKWCと対照的に決められた時間内でどんなトリックをどれだけやるかは完全に自由なのが最大の特徴だ。
決勝ラウンドは1on1のタイマン勝負!
45秒×2ターンのバトルは、ラップバトル的な要素もあってめちゃめちゃ盛り上がる。
審査項目にはVARIETY、CREATIVITY、COMBO、FLOW、OVERALLの5種類のカテゴリーがあり、1カテゴリーにつき1ジャッジで審査される。
今年の審査担当は以下の通り。
VARIETY(バリエーション):KEVEN DESOTO(kencastlekd)*1
CREATIVITY(創造性):MATT SWEETS(matt_sweets)
COMBO(技と技の構築性):THORKILD MAY(thorkildmay)
FLOW(フロウ、スタイル):KODAMAN(zoomadanke)
OVERALL(総合):秋元 悟(akimoto1983)
コダマン、Matt Sweets、秋元さんは初回から不動のメンバー。
正直M-1グランプリよりしんどいジャッジだと思う。ジャッジの説得力がなければ成立しない大会なので本当に感謝しかない。
個人的にはけん玉の根源的な楽しさを最も体現した大会だと思っていて大好きなイベントだ。
今回はそんな開催直前のCATCH & FLOWの魅力をお伝えするべく、過去大会の個人的ベストバウト7選をご紹介!
2014年はDVDリリースで動画があまり落ちてないので残念ながら除外。
500円ぐらいで買えるから観たい人は買いましょう。
年代順にいきます。
1.2015決勝 Bonz Atron(bonzatron) VS Nic Stodd(stodd_gt)
ボンズの魅力ってなんだろう?ストリートけん玉黎明期から活躍するレジェンドオブレジェンドに対して今更だけど。
あの陽気なキャラクター、独創的なトリックはもちろん大きな魅力。
でも個人的にはまず「化け物じみた基礎力」に目を奪われる。
↑長いけど最後まで観るべし!基礎力の鬼やで…
CATCH&FLOWのボンズはいつも静かに一定のリズムで基礎的なトリックから始める。まるで自分の調子を確かめているかのように。
そこから徐々にギアを上げて高難度のトリックをバシバシ決めていくのがボンズのスタイル。
それで十分過ぎるほどすごいんだけど、ぼくが最も惹かれたのはその基礎力や高いスキルと相反する、「クリーンに決めるよりも逆に盛り上がってしまうミスからの奇跡的なリカバリー」だ。
え?その体勢で乗るの?刺さるの?みたいなヤツ。
そんなボンズの「持ってる男」感が全開なのがこの対決。
2ターン目残り2秒、インワードのワールウィンド(たぶん地球回しもインワード)を地面スレスレで倒れ込みながらスパイク!
技の難易度どうこうより、けん玉は結局「刺してなんぼ」の世界。
ブザービートで決めたら盛り上がるに決まってるやん!
そしてニック!2ターン目冒頭のフリフリジャグからのフリップ裏灯台はスローじゃないと何やってるかわからない。
スローで観たら普通に1回転だったけど、こんなの審査する立場になったら地獄だな…
この年以降、もっと何やってんのかわからないトリックだらけになっていくけどね!
ここから本格的なジャグフリップぶん回し時代が始まった感ある。
この頃のCATCH&FLOWは今では考えられないくらいみんな紐技主体なのだ。みんな紐短い!
それはボンズやニックですらそうなんだけど。
そんな歴史にも思いを馳せつつ観るとまた楽しい。
2.2016決勝 Jake Fisher(fish.ky) VS Wyatt Bray(wyattslay)
これはもう完全に個人的な趣味。
ワイアットのサイドスパイク気味に斜めに振り下ろしてから切り返すダウンスパイクがとにかく大好きなのだ。
1ターン目、3回連続で決めた時は大盛り上がり!
正直決勝までのラウンドでもさんざん同じ形でやってたけど、全然問題ない。
何べんでも観たい!
シンプルなトリックだからこそやる人によって全然見え方が変わる。
これは完全に彼のシグネチャーたり得るトリックだ。
やっぱりダウンスパイクがパッシーンと決まった瞬間ってけん玉で最も盛り上がる瞬間の一つだと思う。
勝ったのはジェイク・フィッシャーだったけど、そりゃそうだ。
ワイアットはひたすらこのダウンスパイク組み込んだコンボばっかりやってたもん。
ちなみにわりと最近のポストでもやっぱりやってた(笑)。
本当に好きなんだろな。そういう一本気なとこも好きだぜ。
3.2017 3位決定戦 Nick Ghallagher(nickgallagher42)VS NOBU.NORI(nobu.nori0411)
スーパーキッズ時代の到来を告げる伝説の日米対決。
コダマンが「ジャッジが最もキツかった(難しかった)」「CATCH&FLOWとはこういうことを目指すべきだと思った」「個人的なベストバウト」と語った伝説の一戦。
2ターン目、ニック・ギャラガーが得意技であるたけうまトンボ1-2-3を超絶クリーンに決めて観客のほとんどが一瞬勝負あったかと思った直後、ノブくんが本人も「俺も決まると思ってなくて」と後に語った3回転たけうま裏トンボ(であってるかな?それか3回転裏たけうま谷渡り?)をアンサーして会場が爆発したかのような盛り上がりに。
コレ、会場にいたら一生モノの経験だよ…
ターン制で対戦するCATCH&FLOWの醍醐味が存分に味わえる名勝負だった。
ちなみに勝ったのはニックだったけど、この対戦に関してはどちらが勝ったかはあまり重要じゃない。
この二人は縁があるのか翌年のCATCH&FLOWでも対戦している。このバトルを踏まえたトリックのセレクトを感じてそれもエモかった。こちらも必見。
https://www.instagram.com/p/CUxHq_zo1Ih/
↑この辺の裏話はこちらのダマサポインスタライブのアーカイブでどうぞ。
4.2018 決勝トーナメント1回戦 MAHARU TASHIRO(maharu_fatken)VS ROLF(rolfsandvigganer)
身長差ぶっちぎりナンバーワンの組み合わせ。
クリリンとナッパぐらい違う。たとえ古すぎ?
バットと山のフドウとか?さらに古くなってるし、いくらなんでもデカ過ぎ。
あ、これだ!狗巻とパンダ!
引用元:TVアニメ「呪術廻戦」公式サイト https://jujutsukaisen.jp/news/20200824_01.php
ロルフのslaydawgの柄パンダだし、マハルくん寡黙だし。
もういいですか、そーですか。
マハルくんが連続技でクリーンに決めまくっていたBBとタイトロープにはロルフも正直お手上げ、って感じで笑ってたのが印象的だった一戦。
BBでインスタやらジャグからのBBやらもう観てるこっちもポカーンだよ。
どちらも調子良かったのは間違いないけど、正直コレはマハルくんでしょ、と僕も思ってしまった。当時これをバトルの場でメイクできるプレーヤーなんて他にいなかっただろうし。
ジャッジ後、MCのノブさんがマハルくんにもう少し違う技を入れていれば…というアドバイスと、ジャッジの決定は絶対であると改めて念を押す異例のコメント。
それぐらい難しいジャッジだったということだろう。
振り返ってみると、ジャッジの項目からCLEANがなくなり、VARIATIONに変更される契機となる対決だったように思う。変更されたのは2年後ではあるけど。
マハルくんのその後の成長を考えれば結果的には良いジャッジだったのかもしれない。
若者には挫折が必要。これはアナクロな考えかもしれないけど真理。
筋肉もサイヤ人もギリギリまで追い込んでこそ爆発的に成長するのだ。なんかドラゴンボール例え多めだな。
5.2018 3位決定戦 YUTARO FUKUSHIMA(yuudama09863) VS MISUMI NAKAO(jamcotti)
ミッスー!ミッスー!ミッスー!
MCのお二人、ミッスーのこと好きすぎじゃね?
老若男女、世界中から愛されているプレーヤーだけどね。
初の女性での上位入賞!今と変わらぬゴリゴリの静止系スタイル。
まるで皿のようにフチに乗せる。
ノーティバード1周→リーンハウス→ノンホールたけうま→秋元スイングからのノンホールたけうま
この辺の流れ、何度観てもエグい。エグ良い。
ゆ〜だま氏は正直調子悪そうかつやりにくそうだった。
タップからの流れが1回も決まらず…
ま、あのどや顔で勝ってたら絶対悪役まちがいない(笑)。
3人目のジャッジ、COMBO担当のDUCKが青のボードを掲げた瞬間、
両手で顔を覆って泣き出したミッスーにこちらももらい泣き。
そして今年なんとNAKOのフリースタイルチャンプだよ!
スタイルを貫いて掴んだ栄光。最高。
6.2019 決勝トーナメント1回戦 ALVERT KIRVESM(jokbert) VS TAKUYA IGARASHI(takuya_04.17)
テクニックVSクリエイティヴィティのわかりやすいアングル。
…って言うとタクヤくんにクリエイティヴィティが足りないみたいな誤解を招くかもしれないが明確に違う。
アルバートのオリジナリティがどうかしてる、ってだけ。
初見だとトリックもフロウも半分以上観たことないもんばっか。オリジナリティしかない。大事なところで刺せてないのが残念ではあるけどこれぞフリースタイルの醍醐味と言える個性。
そしてこういう見たことないモノへの驚きも、CATCH&FLOWの大きな魅力!
トリックの難易度で言えばタクヤくんのそれが世界のトップレベルであることに疑いは全くない。
ただ、副音声的な解説でMAXさんも何度も言ってたけどCATCH&FLOWの審査項目にDIFFICULTY(難易度)というカテゴリーはない(もちろんそれぞれのカテゴリーごとに考慮する要素ではある→12/8追記。カテゴリーごとに難易度50%、独創性30%、完成度20%が正しい。難易度は当然大事ってことね。こちらに詳しいです。→CATCH & FLOWの審査基準
)。
あくまで観客ありきのフリースタイルであること、個性的であることを尊重する姿勢を強く感じたジャッジだった。
ちょっと本題とそれるけど、2019年はカメラの位置悪すぎ!
プレーヤーは審査員の方向いてやるに決まってるんだから審査員の位置にカメラ置かないと!
って1000回ぐらい思った。
7.2019決勝 KAITO NAKAJIMA(kaito_graintheoryteam) VS YASUHITO CHIBA(yasu_hc)
やっぱり最後はコレしかないな。
ヤスくん2ターン目のマテオスタイル。
この瞬間、彼の頭に勝ち負けなんて全くなかったと思う。
ただ天国のマテオに届け、という思いでやりきった45秒。
そして最後に叫ぶ。「I love MATEO!」と…
ジャッジは2対2で最後の秋元さんのOVERALLに託され…
勝者はカイトくん!
グッドルーザー。
おっさんはセンチメンタルにそんな言葉を選んでしまうよ…
完全に会場全員の心をつかんだヤスくんの負けっぷりに心から拍手だ。
後ろのコゾロフさん、ちょっとうるさいよ…
でも今ならちょっとだけ僕もその気持ちわかるよ…
以上!CATCH&FLOW名勝負7選でした!!
本当は2020年含め他にも面白い勝負はいっぱいあったんだけど、
明日に間に合わなそうなので(笑)断念。
あと2020年は動画が観づらいのが多いのが本当に残念。オンラインはやっぱり難しい。
今年はもうちょっと観やすいといいなぁ。
明日が楽しみ過ぎる!
*1:この項目だけ2020年から。前は「clean」って項目だったのが変更された。担当も嶋寺さんから変更。