マテオチャンスを知った時、DAVE MATEOはもういなかった

けん玉にまつわるもろもろをなんとか言葉で伝えようとするブログです

けん玉の基礎力とは?

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Gloken主催の全国けん玉力測定会までもうすぐだ。

けん玉力測定会とはなんぞや?となる方の為に公式から引用しよう。

けん玉検定公式トリック(技)を10個選び、それぞれ
1分間での成功回数(1分間チャレンジ)、と
10回挑戦での成功回数(10回チャレンジ)を計測します。

挑戦したトリックの難易度と成功回数によりあなたの「けん玉力」を算出します

※セルフジャッジ形式で、専用フォームより得点を申請して頂きます。

※10回チャレンジでは満点を取ると得点が2倍になることとします

※選べるトリックは参加部門によって異なります。
 初級クラス:メダルチャレンジ、ベーシックの計30個から10個選択します
 一般クラス:ベーシック ~ マスター2021の計60個から10個選択します

※はねけん等、連続してできるトリックも、1回ずつ基本姿勢に戻ってから行ってください

こんな感じ。更なる詳細は公式のアナウンスをご確認ください。↓

www.gloken.net

ここまで説明しといてなんだけど今日はけん玉力測定会の話をするわけではない。

せえへんのかい!せえへんのだす。

「けん玉力」と言う言葉で連想したのが「けん玉の基礎力」とはなんぞや?
という疑問だった。

たぶん個人的に最近気にしていることだったからだろう。
良く「基礎力が高い」とか「基礎がゴミ」とか言うけど、
みんな何を基準に基礎力を判断しているんだろう?

先にざっくり結論言ってしまうと、
要するに「協会系の技の精度」=「基礎力」なんじゃなかろうか。

普通に大皿小皿中皿に乗せ、けんに刺す技がまず基本中の基本。
玉持ちなら飛行機や灯台、そこからのはねけんやとんぼ返りなど。
上級者になるとうぐいすやすべり止め極意などふちを使う技も入ってくる。
あとはけん先すべりや裏ふりけんなんかの若干マニアックな技もあるけど、協会の規定にある検定5段までならそれでほぼ全部。2回転は灯台しかなく、投げ技は空中ブランコぐらい?宇宙遊泳すらない。

よってジャグやフリップ、インスタ、ファストましてやループなんてトリックは当然あるわけがない。
それらのトリックがどれだけ上手くても「基礎力」とはみなされないのが今のところの常識の範疇だろう。

ただ、道具や技術の進化で常識もどんどん移ろっていくのが世の常。

例えば月面。月面はここ数年の「皿の大型化」「ルナホールの一般化」「塗装の進化」によって繊細なバランス感覚を要する上級トリックから初心者でもがんばればメイクできるトリックへとその性質を変えた。
1回転月面やら裏月やらって今はもうそれこそ「基礎力」の範疇でとらえてる人が多い気がする。
でもこれがKWC初期の2014年ごろだったらどんな認識だっただろう?

リアルタイムで当時のことは知らないけど、たぶん今より「おーすげー」ってなるトリックだった気がする。
事実として、2014年版KWCトリックリストでは「月面とんぼ返り~さかおとし」はなんとレベル5だが、2021だとレベル3に落ちている。やっぱり!

他にも「デンマーク一周」は2014年はレベル7だが、2021年だとレベル5に落ちていたり、みんなの憧れ「10ジャグルけん」も昨年ついにレベル10から9に落ちてしまった…

こうやって「難易度」そのものが移ろっていく以上、「基礎力」の定義も移ろっていくのが自然の成り行きというものだろう。

こんな緩い結論で終わってもいいのだけど、この「難易度の移ろい」はそもそもけん玉の性能の影響が大きいので、アルファベットで書く「KENDAMA」いわゆるストリート限定のものかもしれない。

個人的には「けん玉」と「KENDAMA」の違いについて真剣に考えたことはあまりなかった。

まず大前提として個人的にけん玉はまだ「黎明期」だと思っているから。

たった数年遡っただけで、そのトリックの劇的な進化には目を見張るものがある。
未だ発展途上の未完成な競技を型に嵌めようとするのは、その可能性を狭めるものでしかない。

だから「けん玉(道)」でも「(STREET) KENDAMA」でもどっちでも別にいいじゃん、やってる本人が楽しいなら…なんてお気楽に考えていた。

だが、最近そのお気楽な考えに冷水ぶっかけられるような出来事があった。
それでちょっと認識を改めた方がいいのかも、なんて思ってたりするのが今。

その出来事自体はあんまり気分のいい話じゃないし、個人攻撃なんてネットでするつもりは全くないので詳細は書かない。
偉そうに権威を振りかざす人間なんてロクなもんじゃない、というだけの話。

僕は、昔ながらの皿も穴も小さく、塗装も滑りまくるけん玉で道を極めんと努力する人たちを全面的に肯定する。

もちろん僕がいわゆる「けん玉道」にあまり興味がなく、簡単に色んなトリックにトライでき、メイクできる高性能のけん玉の方が好きなことは紛れもない事実だ。

でも自分が好きなスタイルだけが最高で、それ以外は全否定、みたいな魂が貧しくなることは絶対言いたくない。

だって自分がそんなこと言われたくないから。
「推ししか勝たん」って言葉が正直言ってあまり好きじゃない。
そこに勝ち負け要るか?って思う。もちろんいわゆるネットミーム的な流行りで使ってるだけの人がほとんどだとわかってはいるけど。

自分が好きなものを好きでいる自由を尊重して欲しいから
他人が好きなものを好きでいる自由を最大限尊重したい。

多様性ってそういうことだと思うんだけどな。

話がだいぶそれた…
要するに「けん玉」と「KENDAMA」では基礎力のとらえ方が異なる方が自然かもな…というだけの話。
SWEETSのHowTo動画だと宇宙遊泳がビギナートリックだったりするしね!

もちろん「けん玉」と「KENDAMA」に重なる部分は多い。当たり前だ。そもそもどっちもやってる人だっていっぱいいる。これからもお互い交じり合い、重なり合いながら発展していくのが理想に決まってる。

そしていつかけん玉がオリンピック競技になって欲しい。

目指すはその時飄々とエグいトリックをかますジジイだ。
そのためにもまずは基礎力高めていこ!